OBお仕事インタビュー

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<特集> 卒業後も原子力業界で活躍中の二人に聞いてみた!


卒業生Tさん(某メーカー技術職)

(Q)今はどんな仕事をしているの?
(T)原子力発電所の機器のメンテナンスや更新計画の立案です。特に大きな機器を更新する場合は大掛かりとなるため、設置工事でも3ヵ月以上原子炉の運転を止めることがあります。更新によってどの程度の性能向上を狙うか、またこの設置工事に必要とする原子炉停止期間をいかにして短くするかで電力会社の利益も大きく変わるので、最適なプロジェクトの立案と管理で、顧客にとっての価値を最大化することが腕の見せ所です。

(Q)プロジェクトはどのくらいのチームでやるの?
(T)会社全体の原子力事業は4000人くらい。そのうち発電所の保全や機器のメンテナンスを担当する部署は200人くらいです。具体的な仕事は20人程度の課単位で進めており、一つのプロジェクトチームの規模は大小さまざまですが、自分の関わるプロジェクトだと10人くらいの規模が多いです。

(Q)今後の目標は?
(T)メーカーの仕事は発電所を作ったら終わりではなくて、その後の発電所の安全性や経済性は、私達が立案するメンテナンス計画次第。これからの日本の原子力発電所では、まだ誰もやったことがないような大規模な設備更新も実施しているので、私達メーカーにしかできない新しいことにどんどんチャレンジしていきたいです。


卒業生Kさん(某メーカー技術職)

(Q)研究って難しそう。。。
(K)メーカーの研究は幅広いですが、「ものづくり」に直接つながっているのが特徴です。例えば私が取り組んでいる研究は新型炉の開発のための研究です。2028年までに概念設計(建設に必要な詳細設計の一歩手前)を完成させることを目標に、新型炉に必要な新しい安全機能を実証するための研究に取り組んでいます。

(Q)具体的にはどのような研究なのですか?
(K)「伝熱流動」の研究をしています。例えば高温流体の流れる様子を先ずシミュレーションしてある程度の予測を立ておいて、その予測結果を元にして実機を模擬した大規模な実験設備を作るんです。高温の熱流動シミュレーションは私達のチームでしか研究していませんが、山路研の得意分野ですね!

(Q)今後の目標は?
(K)自分がシミュレーションした結果を元に実験設備ができて、それが新型炉の開発を可能にするって考えたらワクワクします。先ずは2028年を目標に頑張ります。


実は同じメーカーに勤務するTさんとKさんに聞いてみた!

(Q)今の仕事を変えてみたいって考えたことはありませんか?
(T)実はそういうことが会社の中でできちゃうのが原子力事業を持っているメーカーの面白いところだと思います。「社内転職」みたいな感じです。行きたい部署があったらそこに「応募」してみて、「採用」されれば異動できるんです。技術系の「プロジェクト管理」スキルがある人の中には、原子力にとらわれず社内で色々な業種にチャレンジしている方もいます。
(K)研究職も似ています。例えば「伝熱流動」という一つの分野で自分の専門性を高めながら、原子力だけじゃなくて、船舶事業部や家電事業部(例:エアコン)からの依頼を受けて研究する人もいます。中には、半年〜1年くらい、実際に事業部でものづくりの現場を学んで研究所に戻ってくる人もいます。仕事の流動性が高いんです!

(Q)なるほど・・・後輩に応援メッセージをお願いします!
(T・K)研究はとても大変かと思いますが、一つの課題と向き合い、試行錯誤しながら成果を出すプロセスは、仕事においても共通しますので、卒業後の進路において必ず活きてくると思います。 原子力業界を一緒に盛り上げてくれたらもちろん嬉しいですし、違う業界であっても、山路研卒業生が活躍してOB/OG会などで活躍の話を聞けると嬉しいです。 研究を続けていると、困難な課題にぶつかることもあると思いますが、ぜひそれを乗り越えて、次の進路に進んだ際の自信にしてもらえればと思います。
頑張ってください!!